今回は現時点で気掛かりとなり、前へ進めなくなっている事柄についての報告となります。
事実の裏付けや、実行を伴う保証を示さなくてもその場を取りつくろえる。→「解釈」や「見解」の相違が入る余地あり。また、 “黒か白か” の決めつけによるかみ合うことの無い不毛な論議も。概念規定・定義付け※2をする欧米語とは
※1 日本民族は書き言葉・文字を
日本語に借用されている漢字のおこりは具体的な物事の姿・形を写した象形文字である。したがって抽象的で目に見えることのない政治、経済、論理、哲学等の専門用語※3は「概念」=大まかな意味止まりで思考停止※4し、政治家,アナリスト等の専門家、いわゆる有識者、そしてメディアに判断を丸投げし、盲従することになる。“ 日本社会は一見民主的、その実衆愚的側面あり”、とされる。
例:関東大震災時のデマによる混乱。保守2党間の疑似「2大政党」による政権交替待望世論(?)。3.11以後の深刻な被災地の風評被害等々。
※3これらの殆どは
※4その他に
例:グローバル・スタンダード( “世界標準” ○、 “限りない自由化” →規制緩和→労働法改正)
象形文字は呪術に始まり、統治のためのおきての周知を目的とした。訓読が無く
これが “「政治・経済」はプロ、その実支配層がやるものであり、我々素人には何も変えられないから棄権する” 、につながるとの説の裏付けになると考えられる。『→結果として現行憲法の否定と明治憲法レジュームへの回帰を大方の日本人に
例:『広辞苑』にある「政治」の「政」に関しては、音読によるセイと訓読による“まつりごと”の2つの項目があり、それぞれ微妙に意味が違う。
○「セイ」=国をおさめること。まつりごと。※5
○「まつりごと」=祭祀を行うこと。祭祀。(「祭祀」項目が無く意味不明。よって定義不能)
※5 『漢字源』による本来の意味。
“まつりごと。社会をただしくとりしきる仕事。 訓は日本古代の祭政一致意識を伝える。” →「祭政一致」に注目
上記「セイ」と「まつりごと」をまとめると、 “(意味不明の) 祭祀により国をおさめること” になる。欧米語のpolitic, govementと似て非なる訳語。日本的受容の典型。
→日本の政治は現代にあっても「祭政一致」,「政教一致」?
そうだとすると民主主義(「信教の自由」他)との整合性は?ひいては
→堂々巡りになり思考停止。専門家ではない私にはこれ以上考えるのは至難の業?
人は言葉を使って考え、その結果を行動します。つまりブレルことが少ない言葉・文字を使わない限り、実際に見た記憶と結びついている言葉しか実行に移せないのです。だからその場限りの言いっ放しで議論も深まらずに納得してしまいます。
逆に行動できないのは
※4 これを補い、より良い生き方をするのには
「定義付け」に関しては、日常のニュースの中で急に頻用されるようになったイディオムを複数の辞書でチェックをする。世論調査結果による
次回リニューアル時には、「報告2.」として今回内容の検討,補足,訂正等を予定しています。(‘19春 記)
補1.民主々義のキーワードとなるイディオム中に使われている「民」等の本来の意味
音読/常読 |
日本的受容前の漢字本来の意味他 |
民 ミン/たみ |
おさめられる人々。権力を持たない大衆。また、広く、人間。 |
憲 ケン |
のり。人間の言葉を取りしまるわく・おきて。 |
法 ホウ/ハッ/ホッ |
のり。人々の生活を取り締まるために定めたわく。おきて。 |
絆 なし(音読_バン。 意読_ほだし/きずな/つなぐ/ほだす) |
ほだし。きずな。馬の足にからめてしばるひも。また、人を束縛する義理・人情などのたとえ。 |
補2.この他「経済」について
このイディオムの一般の受け取り方は、 “景気,暮らし向き,家計のやりくり,生活の質・(物質的)豊かさ・生活の余裕” 等々であるが、『広辞苑』にはこれらに近い意味は殆ど
※5『広辞苑』第一義:[文中子(礼楽)]国を治め人民を救うこと。経国済民。政治。第二義:(economy)人間の共同生活の基礎をなす~(中略)~転じて金銭のやりくり。
漢字本来の意味を、『漢字源』に当たると
“「経」たていと。「済」すくう。不足を補って平等にならす。困っている者に当てがって、水準の線までそろえてやる。「救済」「経世済民(世の中を調整して人民の生活のでこぼこをなくする)」”
これに対して、「経済」は「経世済民」から「経」と「済」を抜き出して造った略語である。
この「経済」を当てがわれた原語であるeconomyは『オクスフォード現代英々辞典』では以下。
the relationship between production,trade and the supply of money in a
particular country or region
辞書同士の比較検討から分かったこと。
①“日本人の常識”としての『広辞苑』中の「経済」の第2義は、economyの訳としてあるが、
遣隋使以降の何時かに中国から
② むしろ大多数の国民の生活感覚からは『広辞苑』中第2義、および『漢字源』の第5義にある “やりくり” の方がなじみ易い。
③ 似たような「経世済民」と「経国済民」とが見られる。前者は『広辞苑』に独立項目として扱われているが、後者の「経国済民」は前者項目中にあるだけで独立項目として採り上げられていない。これも造語と考えられる。「世」を「国」に変えた理由は不明。ちなみに『漢字源』中の「世」は、 “30年間,ゼネレーション” の意であり、 “世の中~国家の政治” の意なし。
「国」は、 “くに。境界で囲んだ~略~。今は人民・土地・主権を有する国家のこと。”とあり、この “国家” は主権在民の民主主義国家を意味しない。
→この書き換えは何なのか?= “気掛かり” だった原因の1つ。