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私の音楽観と創作態度

2 私の音楽観と創作態度 (補1音楽観の考え方へのヒント、および補2私の音楽観の背景“対概念思考法”参照)

「音楽観」には、その人と音楽との距離の執り方が反映されますので、「自分」に対しても、
「音楽」に対しても、そのどちらにも重きを置かない客観性を必要とし、その上、特徴・主観を持つことを条件とします。
その点で、下記※1で示した筆者の「音楽」の定義の方が客観的な色合いが強くなっています。

(筆者の「音楽観」)“音楽(以下※1) は人類にとって、瞬間と永遠の合一を体感することにより、
「現在」と、その連続である「生」を実感し、充実できる表現技術として人類と共に歩んできた。
この限りにおいて人類が地球上に生き続ける限り、音楽は人類とともにあり続ける(平和と現在の気候条件等が続くことが絶対条件)。“ と捉えています。

従って創作する際には、「音の特性」を生かし切る最善の技術=作曲法を工夫します。
1つのイメージ、またはアイディアを思いつくと、それを全体のどこに置いたら一番効果があるか、等を決めてから五線紙に向います。
作品を聴く時に“作曲者にとって最初に閃めいたインスピレイションはどれだったのだろうか?”
を想像しながら聴くのも、また楽しいことです。

※ 1(筆者「音楽」定義) 「音楽」は人類の持つ、一貫性,永続性への願いを共通理解するために、素材である音の特性を組み合わせ続けて来た、表現(・創作)技術群=芸術の一分野である。
 言語・詩・文学,宗教・信念と共に文化の重要構成要素である。
 ← “音楽は共通理解の為に、人間により秩序づけられた音響である。”(J・ブラッキング、『人間の音楽性(岩波現代選書)』)

イメージ,アイディアは以下のいずれかか、それらのいくつかを組み合わせて捜します。

① その時々の、一番印象の強い事柄について気持ちを確かめる。例 社会問題,季節感,個人的な出来事等。
② 一番気持ちを確かめたいことを捜す。 例 感じ方,風景,色彩,匂い等。
③ 想像・内的聴がはっきりする音色や響き。
④ 日本文化の本質や国民性。※2 平安時代前後から現代までに遺っている地方の在来文化,生活様式。
⑤ 現在、海外で日本文化として支持されているものの、共通点と相違点。
⑥ 過去の自作品、やメモから「自分らしさ,金田様式」を見極める。
⑦ テレコを廻してピアノの即興演奏をし、後から聴いて気に入ったものを検討する。
⑧ 気になる言葉をOXF,『広辞苑』,『漢字源』で照合し、自分なりにまとめ直してから、その言葉が含まれる語句についてイメージ等を膨らまし直す。※3
⑨ 気に入っている自作を1人の聴き手として聴き入り、自分の作曲の原点・一貫性と今後の方向性,可能性等を確かめる(含、アナリーゼ・楽曲分析)

※2 今回纏まりが着かなくなった原因は、
「日本的受容」によるCultureとその日本語対応語である「文化」とのギャップにあった。(予定ラインナップ4参照)
Culture の第一義はway of life、つまり「生活様式」・「生き方」であるのに対して、
「文化」の第一義は“ 徳を持って民を教 する。”そして第二義は“世の中が開けて生活が便利になること。 明開 。”である。
もちろん後者・『広辞苑』の意味は、前者・OXFにはない。
また前者に該当するものは、慣習,信念,生き方,芸術,集団や国家を組織する仕方であり、後者に文化として挙げられている、 技術, 学問, 道徳, 宗教、政治等は前者には記述されていない。("後者"の該当語は『広辞苑』の第三義(cultureの訳)による。)→日本人の明治以来の「生き方」・価値判断基準は「経済性」,「功利性」
かろうじて両者に共通するものは「芸術」のみ。

※3 私は重要語句についてはこれらの3辞典の比較検討をして自分なりの定義付けをする習慣がある。
ものによっては『哲学事典(平凡社、講談新書)』、『音楽事典(平凡社、音楽之友社等)』も。
人間は言葉を使って考え、伝え合い、行動する。場合によっては生き方までも左右する言葉について、
その重要な意味を違って受け取っていると、誤解だけでは済まされないことが起きてしまう危険がある。
そこから言葉をより歪みなく識り、考え、行動し、作曲することが“生き方、ひいては表現”に繋がる、と私は考えるのです。(予定ラインナップ4,8,9参照)

なお、概念規定・定義付けにはドイツ語が最適である、を識ってはいるが、あえて英語を使った理由は以下。(英語と独語とは極めて近い関係であるが)

❶ IT時代に入り、コンピュータ用語である英語が、世界共通語として国際的な共通理解を作る可能性を持っていること。→日本語として厳密なのは哲学辞典中の各術語それらは英語・独語の意味とほぼ対応している。
❷ OXF使用については、その内容がポピュラーであることと、他の英英辞典と意味が重なる点が多いこと。
❸ また、ポピュラーである点から”日本人の常識”とされる『広辞苑』と比較検討することで翻訳上の問題点、および
”文化”の違い、ひいては「日本的受容」の有無
がはっきりするであろうこと。

以上のイメージ等捜しに関する①から⑨までを用いて自分の感覚、考えを確かめ、万人と共有したいイメージを固めます。
その後は作曲法を使い、”筆が走りだす”まで消したり、書いたりしながら五線紙と格闘するのです。
作曲家・作家にとって”一貫し、永続性を持ち、完結”した音,言葉を一つずつ自己と確かめ合いながら記録して行く瞬間瞬間が、
正に”瞬間と永遠との合一”を味わえる至福の時間なのです。(→孔子,ストラヴィンスキーの音楽観)
この至福を味わいたいが為に、いつもバランスを取り、全方向にアンテナを張り続けるのが、強いて言えば私の創作態度と言えるでしょう。 ← 補2参照

以上、舌足らずですが取り敢えず自己紹介の一端とします。


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